完璧主義で苦しむ人・苦しまない人

ココロの話

完璧主義には2種類あると言われています。

自分らしさとしての完璧主義と、自己否定からくる完璧主義です。

完璧主義が苦しいのは後者のほうで、完璧でない自分は許されない・愛されないという思考があり、これを恐れているというのが苦しみの本質です。

この記事を書いた人
公認心理師/心理カウンセラー/セラピスト
あべ子

激務に耐える先生のこころと体を整える情報を発信中。

【資格】
公認心理師、特別支援教育士、特別支援学校教諭専修免許状、教育学修士(障害児教育)、AGOメソッド®セラピスト

【経歴】
・元公務員心理職(教育委員会に10年以上勤務)。
・特別支援教育について教職員への助言にあたる。
・発達相談・教育相談 延べ3,000件。
・肩こり腰痛頭痛に20年間悩み、自律神経を整える整体を習得。
・二児の母。

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はじめに

皆さんは、”完璧主義”にどんなイメージを持っているでしょうか。

よく、「完璧主義はしんどいから手放したほうがいい」的なことをあちこちで見聞きします。

私はかつて完璧主義の看板を背負って歩いているような人間だったので、言いたいコトはわかるんですが、

それと同時に、なんだか自分の生き様を否定されたような被害妄想 一抹の寂しさを感じていたのも事実です。

みなさんの中にも、完璧主義の傾向が強めな方がいらっしゃるだろうなと思うので、今日は完璧主義について色々考えてみたいと思います

自分らしさとしての完璧主義

自分が完璧主義であることに誇りを持っていて、前向きなこだわりとして完璧主義を貫いているケースです。

たとえば
「私、失敗しないので」と言いがちな天才外科医とか、
法外な手術代を請求する無免許天才外科医とか、
天才外科医とか(ネタ切れ。早っ!)。

そういう人を見るとカッコいいな~って思うし、憧れたりもします。

ご本人たちも、ポリシーで完璧主義をやっているような感覚ではないでしょうか。

自己否定からくる完璧主義

やっかいなのはこちら。

理想の自分と比べて今の自分ではダメだと思い、完璧であることを自分に課すタイプ。
完璧さを目指すことで安心・安全を得ているので、”自分らしくやる”とか”自分らしさを出す”というほうにはなかなか目が向きません。

正直、自分の完璧主義にちょっと疲れている面もありながら、「完璧でないといけない、許されない」というネガティブな動機からきているので、なかなかやめられません。

自分に厳しくストイックにやりすぎて自分いじめになっちゃうし、理想が高すぎて、常に不完全燃焼である点もつらいところです。

仮に褒められたとしても、「まだまだ、◯◯ができていない」と必ず欠点を見つけ出し、せっかく相手が褒めてくれているのに受け取ることもできません。

そして一番つらいのは、完璧主義を楽しめないということ。

怖いんです。
完璧じゃない自分は、愛されないと思っているから。

完璧にできないことがつらいんじゃなく、
愛されないという怖さがつらいんです。

ここが前者とは違う点。

完璧主義が苦しくなったら

完璧主義を手放してみる

なので、自己否定からくる完璧主義はやっぱりしんどいから、ちょっとずつでも手放していきたいと思う場合は、次のようなことをしていきます。

「完璧でないと愛されない」という思考に対して、「その怖れは本当にそうなのか?」と疑っていくことで、

ぐだぐだでも嫌われない、許される、愛されるという新しい認識が自分の中に取り込まれ、
少しずつ完璧主義が和らいでいくようになるのです。

子ども時代のしつけが厳しかったとか、常に誰かと比較される環境だったなど、外からの要因が大きく影響している場合は、その相手に対する恨みや怒りを吐き出し、その相手がなぜあなたに完璧を求めたのか”感情的な部分”を理解して許すといったプロセスを踏んでいくことになると思います。

こういった作業は、ぐるぐる思考にはまって抜け出せないタイプの人は、カウンセラーと一緒にやっていくとよいと思います。

完璧主義と共存する生き方もある

もう一つの考え方として、「必ずしも完璧主義を手放す必要はないのではないか」ということ。

完璧主義がある意味これまでの自分を守ってきてくれたわけですから、とても情に厚い人間性を持つ私としましては(自分で言う(笑))、その完璧主義様を無碍に扱うのは忍びないわけです。

どんなことでも、物事にはポジティブな面とネガティブな面があり、完璧主義も例外なくそうです。

たしかに、しんどいし、周りの人にも窮屈感を与えたり、近寄りがたい雰囲気になったりします。完璧にこだわるあまり、時間がかかりすぎて行動できないという弊害もあります。

ですが、完璧主義ならではのポジティブな面もありますよね。

質の高い仕事をする、この人に任せたら安心と信頼される、いざという時の集中力、持続力、向上心…
(私がそうだとは口が裂けても言えない(笑))

なので、完璧主義自体は別に悪いことじゃなくない?っていうスタンスで、完璧主義のポジティブな面を自分の中で伸ばしていけばいい、と最近思うようになりました。

どうせすぐにはやめられないんだから。
「どうも!完璧主義やらせてもらってます!」みたいなノリとか、どうっすか。

ちなみに私の話で恐縮なのですが、私はポンコツなところがありまして、完璧主義のくせに完璧にできたためしなんかありません💦

人間とはかくも矛盾した生き物であります、はい。

完璧主義でい続けるためのコツ

ここまで読んでくださって、完璧主義と共存していくのも悪くないなと思っていただけたら嬉しいですが、ちゃっかり完璧主義でい続けるためのアドバイスを1つだけ。

それは、完璧主義を時々はお休みするということです。

3日に1回ぐらいは完璧主義をやめるとか、時々ハードルを下げるとかね。

自分が完璧主義だという自己理解があれば、完璧主義が発動している瞬間を自覚できます。
その時、自分が生き生きしているか、しんどさを感じているかを感じ取ってみましょう。

しんどさや不安が掻き立てられるような感じがあれば、”完璧主義の暴走”と言えますから、その時こそまさに”完璧主義の休み時”です。
気持ちをいったん切り替えるのが良いでしょう。

仕事や人間関係、育児もそうですよね。
365日24時間ずーっとというのは、完璧主義以外のことでも何でも無理ですから。

だから、完璧主義をやめる必要はないけど、
完璧主義を健康的に続けていくために、自分の中で「やり方改革を」していけたらいいですね!

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