仕事を辞めようか迷っている時:「決断」の本当の意味とは?

ココロの話

こんにちは、公認心理師&セラピストのあべ子です^^

もう教師を辞めたいと思っているけれど、もう一人の自分がそれに抵抗していて決められない、という状況の方はいませんか?

この「決められない」っていう状態の時が一番しんどいですよね。

私も前の仕事を辞めようかどうしようかと3年近く悩みましたから、こういう時のどっちつかずな状態が続く精神的なしんどさがよくわかります!

なので、今回は、仕事を辞めたいけど決めきれなくて悩んでいる方が、今後の生き方を自分で決めて自分で進んでいけるようになることを目指して、まず「なぜすんなり決められないのか」の心のメカニズムを説明し、次に、決断する時のコツをお伝えしたいと思います。

この記事は以下のような人におすすめ
  • 仕事を辞めようか迷っている人
  • 決断できないモヤモヤがつらい人
  • 仕事を辞めていい時と悪い時の区別を知りたい人

大切なのは、仕事を辞めるかどうかではなく、その決断に至るプロセスであり、自分軸で決めたことなら何を選んだって構わないということです。

この記事を読んで、自分の人生の手綱を握るコツを掴んでもらえたらと思います。

この記事を書いた人
公認心理師/心理カウンセラー/セラピスト
あべ子

激務に耐える先生のこころと体を整える情報を発信中。

【資格】
公認心理師、特別支援教育士、特別支援学校教諭専修免許状、教育学修士(障害児教育)、AGOメソッド®セラピスト

【経歴】
・元公務員心理職(教育委員会に10年以上勤務)。
・特別支援教育について教職員への助言にあたる。
・発達相談・教育相談 延べ3,000件。
・肩こり腰痛頭痛に20年間悩み、自律神経を整える整体を習得。
・二児の母。

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「決められない」時に自分の中で起きていること

決められない(行動できない)と言うのは、心と頭が一致していない時に起こります。

私たちの内面は、ふと思ったり感じたりする「感情」の部分と、論理的に考えたり、こうあらねばという理性や常識といった「思考」の部分に大別されます。

このうち、頭で考える思考は、私たちが成長する過程で社会に適応して生きるために後天的に身に着けた知識的な枠組みのようなもので、「自分ルール」とか「信念」とか呼ばれたりもします。

たとえば、

・もう仕事にいきたくない。

これが感情の部分です。で、

・仕事がつらいのは当たり前。
・これぐらいで辞めたいと思うなんて単なる逃げだ。
・働かないとどうやって生きていくんだ。

などの、感情を説き伏せるような”もう一人の自分の声”が思考や価値観の部分です。

仕事がつらい、行きたくないという感情に対して、思考が「おいおい、それじゃ社会人としてやっていけないよ」とけん制しているわけですね。

仕事がまあまあ上手くいっていれば、多少だるいことがあっても、「まぁ、しょうがないか」と仕事を頑張れるものですが、

この記事を読んでくださっている方の中には、仕事のストレスが強くて、感情も引っ込んでくれないほどにつらい状況になっている人もいるだろうと思います。

基本、迷った時は感情に従っておけばだいたい正解なのですが、そうは言っても、仕事を続けるべきだといった何某かの思考の力や価値観が働き、仕事を辞める方向へ安易に全振りできないのが現状だと思います。

決断するコツ

自分軸になる

私個人の考えとして、仕事は辞めても辞めなくてもどちらでもかまわないと思っています。

なぜなら、「自分で決める行為それ自体」が重要だからです。

辞めることも辞めないことも「決断する」という行為は同じで、ちゃんと自分で決めたことなら、その責任を自分で引き受けて、その後の人生をしっかりと歩んでいけるようになるからです。

この時大切なのは、自分の選択肢は無限にあって何を選ぶかは基本的に自由だという立場に立つこと。

「私はあえて辞める。なぜなら、…。」
「やっぱり続ける。なぜなら、…。」

この”なぜなら”の後ろの部分を、ちゃんと自分の中で納得して選べているかどうかがポイントです。

状況的にどちらか一方を選ばざるを得ない時でも、いやそういう時だからこそ、そういった状況を踏まえて「自分でもう一度それを選び直す」という手順を踏むことが大切です。

それにより覚悟が生まれ、自分の中に芯が一本通ります。

肚(はら)が決まる、とも言いますね。

これが、”自分軸で”決めるということです。

思い込みを疑う

実際のカウンセリングでは、思考の部分、つまり「こうあらねばならない」「~べき」「~してはいけない」などの感情にブレーキをかけている無意識の部分を見つけて解消する作業を一緒に行います。

そうすることで、自分が本当に心から望むものに向かっていくことができるようになります。

例えば次のような質問に答えてもらったりします。

・仕事を辞められないのは何がネックになっているからでしょう?
・それは、いつからそう思ってるんですか?
・もしそれが現実になってしまったら、どんな気持ちになりそうだと思いますか?
・今までそれと同じような気持ちを味わった経験はありませんか?

そうやって、自分の思考が一体どこから来ているのかを確認して、「本当にそうなのか?」と一回疑ってみます。

・仕事がつらいのは、本当に当たり前なのか?
・仕事に行きたくないのは、本当に甘えなのか?

といった風に。

実際は「自分がそう思い込んでいるだけで、よくよく考えると必ずしもそうとは言い切れないよな」、っていう事がほとんどなのですが、自分一人で考えているとどうしても自分の枠から抜け出せないので、やはり第三者と一緒にやるほうが上手くいくと思います。

感情の補佐・補強として思考を使う

ここまでの話の流れだと、思考はいらんヤツなのかと思われがちですが、そうではありません。

思考は、上手く使えば感情の補強をし、やりたいことの実現に向けて現実的な推進力となってくれる大事な相棒です。

乗馬に例えると、感情が馬で、思考が騎手です。
騎手が上手く手綱を操るから、目的地に向かって安全に馬を走らせることができるというわけです。

思考を上手く使うというのは、わかりやすく言うと、自分を幸せにする方向に使うということ。

感情のエネルギーはとても大きく、特にネガティブに働く時は暴走しがちです。

たとえば夢に向かって頑張っている時に、周りのすごい人を見て自信がなくなってやる気が失せるとか、上手くいきそうになったら急に怖くなって逃げたくなるとか。

そういう時に、「いやいや、あんた〇〇の部分はプロ級やん。」とか「今までみたいなしょぼいレベルに落ち着いて満足できんの?できへんの分かってるやろ?」とか言いながら、暴走する感情をたしなめるのは、思考ならではの役割なんですよ。

ここまで読んで察しの良い方は気が付いたかも知れませんが、思考を使うためには、

・自分ってどんな人なんだろう?
・自分の得意/苦手、好き/嫌い
・どんな環境が心地よい?
・どうなりたい?
・譲れないモノは何?

といった自己理解が欠かせません。
そういった自分本来の生き方や在り方に自分を寄せていくために、思考を使うのです。

思考を使うポイントは、もう一度言いますが、自分を幸せにする方向に使うこと。
決して、自分を罰するために存在しているわけではありません。

Mっ気の自覚がある人は、自分に鞭を打つプレイをしても別にかまいませんが、どうせ鞭を打つなら、鞭打ちの刑ではなく、愛の鞭やスパートをかける時の鞭入れにしておきましょう。

なので、みなさん。
自分の思考を、どういう風に使っていきましょうか。
一度考えてみてください。

本当に仕事を辞めたいのか?

もう一つ考えたいことがあります。

そもそも論なのですが、もう仕事がつらい・これ以上やっていける気がしないと感じていることと、仕事を辞めたいということが、果たして同義なのかどうかということ。

いや、お前が最初にそう言ったんじゃねーの?というツッコミは聞かなかったことにしておきます(笑)

たしかに仕事がつらいと感じていることは事実なのでしょう。

「もうこれ以上は無理だ、自分はこの仕事に向いていない」、といった気持ちは誰にも否定できるものではありません。

ただ、これが先ほど言った”感情の暴走”だとしたらどうでしょうか?

ネガティブの渦に陥っている時ほど、物事のマイナス面ばかりに気を取られるのが人間というもの。

しかし冷静に振り返ってみると、案外、上手くできている事や問題なく取り組めている事があることに気が付きませんか?

例えば、教師の仕事を振り返ってみて、次のようなことに思い当たりませんか。

  • 授業は計画通りに進んでいる。
  • 校務分掌もとりあえずできている。
  • 同僚や同期との人間関係は良い。
  • 基本的には健康で、仕事に急な穴を開けることがなかった。
  • 子どもたちは慕ってくれている。
  • 保護者の多くは温かく見守ってくれている。
  • 教師の仕事を楽しめている自分もいる。

こういったことを一つずつ拾い上げていくのも、思考の為せる業です。

こうやって今あるモノにフォーカスすると「それほど悪くない」って思えてきませんか?

たしかにつらいことがあるのも事実なのでしょうけど、だからと言って教師の適性がまったくないわけではない。

物事というのは、100%白か黒かと決めきれないことも多いものです。

そう考えると、人の気持ちも同じかも知れませんね。

教師を辞めたくなっている自分もいるし、続けていけるならそうしたい自分もいていい。

その上で、どちらを選んだほうがより自分らしいのかどちらの生き方をしている自分が好きかビジョンが見えるほうを選んでいけばいいのではないでしょうか。

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