こんにちは、公認心理師&特別支援教育士のあべ子です^^
今日は、お悩みに回答します。
皆さんも、よろしかったら下の投稿フォームからお悩みを送ってくださいまし^^
※実際のお悩みをもとに、ブログ用に内容を一部変更しています。
【相談内容】
30代の子なし夫婦です。
夫は3年前に教員を目指して転職、今回正規採用になり1年目になりますが、最近教員を辞めたいと言いだしました。
理由は、今の学校が合わないこと(正規になるまで別学校で臨時教員の経験あり)、受け持っている学年の生徒にトラブル(学校外での生徒同士のいざこざやモンペがいる)が多いことなどがあるそうです。
私も正社員で働いているし、そんなに悩むなら辞めても大丈夫だけど、自分がやりたいと転職までした仕事なので、勢いで辞めたら後悔しないか心配。 教師の相談窓口もあるみたいだから、そこに相談するなり、4月から別の学年にしてもらったら? など話しましたが、具体的に何か行動した気配はありません。
ただメンタルが病むところまではいってなさそうで、食欲はあり、ずっとアニメを見るかゲームをしてます。
現実逃避したいのかもですが、こっちはモヤモヤ…。
仕事の帰りもそんなに遅いわけではなく、19時過ぎには帰宅できています。持ち帰りの仕事もそれほどなさそうです。
私は教員ではないので悩みや苦しみは分かりませんが、仕事を辞めてから転職活動したいとか、とりあえず辞めたい、というのはもう30代後半なのに正直考えが甘いのではとも思います。
子どもや将来のことは考えているのかな?とか、わからないことも多いです。
本人なりに考えているんだとは思いますが、妻としては何と言ってあげればいいでしょうか?きつく責めるような感じにはしたくないです。
(mさん)
mさん、こんにちは。
これはもやもやしますね…。
mさん、優しいですよ。私だったら「しゃきっとせーい!」て喝を入れたくなるところですが。
>きつく責めるような感じにはしたくないです。
ということですから、おそらく、夫氏が責められたと感じてしまった時の危うさをmさんが察知してらっしゃるような気がします。
こういう風に、繊細に気を利かせて夫氏のプライドを守りながら、上手にサポートするのは並大抵のことではありません。きっと今までもmさんのおかげでピンチを切り抜けてきたことが、1回や2回ではないような気がします(夫氏がそれに気づいているかは不明…多分、気付いていないでしょう)。
>私も正社員で働いているし
mさんが働いている点は、夫氏にとってもmさん自身にとっても、色々な面で安心感の源になりますね。もやもやする、と言いつつもmさんにまだ余裕か感じられるのはそのためでしょう。そういった面でも、やはりmさんが1枚も2枚も上手なのだろうと思います。妻というより、もはやお母さんに近い関係性にすら感じます(汗)
さて、夫氏にどう言ってあげるといいかというご相談ですが、
今までは、お互いの仕事に邁進し”それぞれの人生”を歩んできたように思いますが、この問題を通して”二人の人生”をこれからどう創っていくかというフェーズに入ったのではないかなと感じます。
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単刀直入に言うと夫婦間の方向性の一致、が大事になってくるんだろうなと思います。恐らくですが、mさんは大なり小なり、”二人の人生”について考えようとしていらっしゃるようですが、これからはそこに夫氏をどう巻き込んでいくかを考えていきましょう。
>子どもや将来のことは考えているのかな?
この部分について、mさんはどんな未来を思い描いているのか、夫氏はどう考えているのか、そして二人で何を目指すのか(夫婦でどう生きていくのか)といったことを、やはり話し合いをされることをお勧めしたいです。
なぜなら、それぞれの仕事、住む場所、暮らし方などのあらゆることが、その方向性に向かってデザインされていくからです。
ですから、”仕事を辞めるかどうか”の是非を話す以前に、夫婦がそれぞれにどんな人生を送りたいのかということをできる限り具体的にイメージして共有してみてはいかがでしょうか。
そして、「それを実現するためには」というプロセスの中で、じゃぁお互いの仕事は、子どもは、趣味やレジャーは、住む家は、貯蓄や資産管理は、といったことを「だいたいいつぐらいまでにこうなってたらいいよね」という目安みたいなものが初めてわかってくるのだと思います。
それを踏まえた上でも「とにかく教師の仕事から解放されたい」ということであれば、夫氏にとってよほどの教師がつらいのだろうと思いますし、逆に、「子どもができた時のことを考えると、肚を決めて頑張ろうかな」と覚悟が決まる可能性だってあるわけです。
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夫氏の現状としては、まだ退職を本格的に決めるところまではいっていないけど、今の教師の仕事が自分に合っていないような気がする、あるいは無理している自分に気が付いてしまって、「ぶっちゃけ、続けるのは無理かも」と思い始めた、といった状態だろうと思います。
もう少し突っ込んで言うと、生徒のトラブルやモンペ対応はきっかけの1つではあるけど、むしろそういった業務を通して自分が仕事をする上での向き不向きや「こういうことで輝きたい」という”理想の姿”が、夫氏の中でより具体的になったということなのかも知れません。
たとえば、
「人の間に入って多方面に気を使いながら関係を調整するような繊細な仕事は自分には向いていないなー」とか、
「勉強面に特化してガンガン教えることにやりがいを感じるなー」
とかいったことです。
男性の多くは、「言い出した時がスタート地点」とよく言われます。とりあえず目標を宣言してみた、みたいな感じです。
だから、このあと、現実的なことを色々と考えたり、あらゆる条件を吟味した結果、当初の目標がよりはっきりすることもあれば、目標が違うものに変化していくということも往々にしてあります。
そこらへんが多くの女性の感覚とは違うので、知っておくといいと思います(女性の場合は、あらゆる検討や下準備がすべて終わって気持ちが固まった段階で、最終結論を宣告するパターンが多いのだそうです)。
ですからmさんとしては、夫氏の「仕事辞めたい」は現時点では決定事項ではないということを踏まえ、ご夫婦にとってより良い結論を出せるよう、絶賛揺れ動き中の夫氏の現状を整理してビジョンを示す係を担ってあげると良いのではと思います^^

